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ファイル配下にあるmp3ファイルを結合する方法|ffmpegでプロパティを揃えて連結する

2025年7月31日

MP3ファイルを結合しようとした際に、思いがけないエラーが発生することがあります。

特に多い原因のひとつが、結合対象のファイル同士でサンプルレートやビットレート、チャンネル数などの音声プロパティが一致していないことです。

このような場合、単にファイルを結合しようとしてもうまくいかず、再エンコードや事前の確認作業が必要になります。

本記事では、MP3ファイルのプロパティの確認方法から、再エンコードによる統一、そして結合の実行までを解説します。

1.  MP3ファイルのプロパティを確認する

まずは、各MP3ファイルのプロパティを確認します。以下のコマンドを使用してください。

ffprobe -i input1.mp3
ffprobe -i input2.mp3
# 必要に応じて他のファイルも確認します

出力される情報の中で、サンプルレート(例:44100Hz)、ビットレート(例:192kbps)、チャンネル数(例:ステレオ=2ch)が一致しているかを確認してください。

2. プロパティが異なる場合の対処方法

もしファイル間でプロパティが異なる場合は、再エンコードして統一する必要があります。以下のようにffmpegコマンドを使用してください。

ffmpeg -i input1.mp3 -c:a libmp3lame -ar 44100 -b:a 192k -ac 2 output1_fixed.mp3
ffmpeg -i input2.mp3 -c:a libmp3lame -ar 44100 -b:a 192k -ac 2 output2_fixed.mp3

※ 上記の「44100」や「192k」などの数値は一例です。実際には、元のファイルに合わせて調整してください。

3. 再エンコード後にファイルを結合する

プロパティを統一したら、次に結合を行います。以下のコマンドを使ってください。

ffmpeg -i output1_fixed.mp3 -i output2_fixed.mp3 -filter_complex concat=n=2:v=0:a=1 -c:a libmp3lame output_combined.mp3

この方法では、複雑なフィルターグラフを使わず、シンプルな構成でファイルを結合できます。

複数のMP3ファイルを一括で結合するスクリプト

AIがMP3を仕分ける

複数のMP3ファイルを一度に結合したい場合は、以下のシェルスクリプトを活用すると便利です。

#!/bin/bash

# 対象ディレクトリのパス
target_directory="path/to/your/directory"

# 出力ファイル名
output_file="output.mp3"

# ディレクトリに移動
cd "$target_directory" || exit

# ファイルリストを一時ファイルに書き込む
for file in *.mp3; do
    echo "file '$PWD/$file'" >> filelist.txt
done

# ファイルリストを使ってMP3ファイルを結合
ffmpeg -f concat -safe 0 -i filelist.txt -c:a libmp3lame "$output_file"

# 一時ファイルを削除
rm filelist.txt

echo "結合が完了しました。出力ファイル: $output_file"

この簡素化されたバージョンでは、複雑なフィルターグラフを回避し、「concat」デマルチプレクサを使用してファイルを単純に連結します。

ストリームに互換性がある場合、これは問題なく動作するはずです。

  • この記事を書いた人

朝倉卍丸

シングルモルトスコッチなどのお土産を持ってきた人を助けるのが好きです。サービスの分割が重要ですが、昔ながらの方法でやりたいこともありますよね。

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