目標を立てても、気づけば日々の仕事に流され、期末に目標を書き始める事は多くのチームで見られる光景です。
チームで同じ方向を向いているつもりでも、実際には優先順位が少しずつズレていきます。
コレは当たり前で、個々人は秘めた方向感を持っています。
こんな状態に心当たりがある人にとって、「Measure What Matters」はかなり実用的な一冊です。
本書はOKR、つまり「Objectives and Key Results」をどう導入し、どう続けるかを解説した本です。Googleやゲイツ財団などの事例も出てきますが、読みどころは有名企業の成功談そのものではありません。
むしろ、目標を日々の行動に落とし込み、定期的に見直しながら前に進むための考え方にあります。
率直な感想
最初は、経営者やマネージャー向けの少し硬い本なのかなと思っていました。
実際、書籍の内容は組織でOKRを運用する話が中心です。
読み進めると個人の目標管理にも応用できる部分が多くあります。
特に「目標は立てて終わりではなく、進捗を確認しながら調整していくもの」という考え方は、仕事にも生活にも使いやすいと感じました。
この本でわかるOKRの基本
OKRは、目指す方向を示すObjectiveと、そこに近づいているかを測るKey Resultsを組み合わせる目標管理の仕組みです。
Objectiveは「どこへ向かうのか」を示すもの。
Key Resultsは「そこへ進めているかをどう確認するのか」を示すものです。
- OKRは多く作りすぎず、3〜5個程度に絞る
- Key Resultsも各Objectiveにつき3〜5個までにする
- 上から押しつけるだけでなく、現場や個人が作る余地を残す
- 状況が変われば、途中で見直してもよい
- 評価や給与と強く結びつけすぎない
良かった点|目標が日々の行動につながりやすい
この本で一番よかったのは、OKRを単なるスローガンにしないための考え方が書かれている点です。
目標を作るだけなら、それほど難しくありません。
難しいのは、毎週の行動や判断に結びつけることです。
本書では、週次チェックイン、進捗確認、フィードバック、承認まで含めてOKRを運用する大切さが語られています。
特に印象に残ったのは、OKRは「武器」ではなく「道具」だという考え方です。
未達の人を責めるためではなく、優先順位をそろえ、今やるべきことを見えるようにするためのもの。
ここを間違えると、目標管理は一気に窮屈になります。
気になった点|小さなチームには重く感じる
一方で、出てくる事例は大きな組織寄りです。
そのため、小規模なチームや個人がそのまま真似しようとすると、少し大げさに感じるかもしれません。
会議やレビューをきっちり作り込みすぎると、OKRのための作業が増えてしまいます。
個人で使うなら、四半期ごとのObjectiveと、毎週確認するKey Resultsくらいに軽く始めるほうが現実的です。
他の目標管理との違い
ToDoリストは「何をやるか」を整理するには便利です。
ただ、それだけだと「なぜそれをやるのか」が見えにくくなることがあります。
OKRは、方向性と測定指標をセットで考えるため、忙しく動いているのに大事な成果から離れている、というズレに気づきやすい仕組みです。
ただし、数値だけを追いすぎる危うさもあります。
本書でも、品質や安全性を犠牲にしないように、複数の指標を組み合わせる視点が紹介されています。
向いている人
- チームの目標や優先順位をそろえたい人
- OKRを導入したいが、基本から理解したい人
- 目標を立てても途中で曖昧になりやすい人
- 評価制度とは別に、前向きな目標管理を作りたい人
向いていない人
- すぐ使えるテンプレートだけを求めている人
- 個人向けの軽い自己啓発本を読みたい人
- 数値目標を決めれば成果が出ると思っている人
読んで感じた変化
この本を読んで、目標は「決めること」よりも「見直し続けること」のほうが大事だと感じました。
途中で状況が変われば、Key Resultsを調整してもよい。
ただし、すぐに投げ出してしまうと学びが残りません。
このバランスが、かなり現実的です。
また、OKRはトップダウンだけでは機能しにくいという点も印象的でした。
リーダーが本気で関わりつつ、現場からも目標を作る。
その両方があって初めて、目標が「やらされるもの」ではなくなります。
まとめ
「Measure What Matters」は、OKRを学びたい人にとって定番と言える一冊です。
ただし、読むだけで目標管理がうまくいく魔法の本ではありません。
むしろ本書が教えてくれるのは、OKRを機能させるには、対話、フィードバック、承認、そして地道なチェックインが必要だということです。
目標を立てても続かない人、チームの方向性が散らばりがちな人、OKRを評価制度とは別の前向きな仕組みとして使いたい人には、読む価値があります。
最初から完璧に導入しようとせず、小さく試しながら調整していく。
そのくらいの距離感で読むと、かなり実用的に感じられる本です。
OKRをきちんと知りたい方は、ぜひ書籍をご一読下さい。